治療の流れ

 身体の不調と不安を抱えて来院される方がほとんどですが、生きるか死ぬかの病気が隠れていたり、手術をしなければ治らない状態であることは実際にはそんなに多くはないです。私たちのような小さな診療所で治療する病気は、大きな病気でもないけれども日常生活を送るのにさわりがあるようないろいろな身体の不調です。

 もちろん、重大な病気がないことを確認することが最重要ですが、治療を始めたあとの症状の経過を見ながら、医師自身の経験と正しい医学知識を元に試行錯誤して正しい診断、最適な治療方法に行き着く努力を続けています。
 残念ながら高齢者の身体の不調は年を重ねたせいでおきることが多く、治療を受けて完全に治るとういうことは難しく、身体の調子を維持するために治療の内容や回数を変えていく必要があります。
 またスポーツをやっての不調も、トレーニング方法や強度に問題があったりして、せっかく調子がよくなってもまた同じ不調を繰り返すことが少なくなく、院内での治療のみならず自宅やスポーツ活動中に気をつけることもご理解いただくことも必要です。
 当院の治療は、以下の治療をいろいろと組み合わせて、症状の変化を見ながら、それぞれの患者さんに一番あった治療を選択していきます。
 
 インフルエンザ予防接種などの自費治療(健康保険が使えない治療)についてはこちら

当院で行っている治療
 整形外科でもいろいろな種類の薬を使います。漫然とした処方は謹んでいるつもりですが骨粗鬆症や関節リウマチ、高尿酸血症などのように、薬の治療が中心となる病気もあります。特に骨粗鬆症や関節リウマチは何年も薬を続けて治療する病気です。
 最近はいい痛み止めの薬も出てきており、服用期間もできるだけ短くできるようにつとめています。しかしながら、きちんと薬を飲んで、治療効果を確認することは病気の診断のためにも大切です。
 また、湿布や塗り薬は皮膚を通して痛みをとる成分が痛い部位だけに届くので、飲む薬よりは副作用を軽減することが出来ます。
 注射の治療は様々な目的で行われ、その投与方法も静脈注射から筋肉注射まで様々です。
 膝、肩関節にヒアルロン酸やステロイドの注射を行ったり、頚、腰の痛みをとるために痛む部位のブロック注射である、トリガーポイント注射を施行しております。骨粗鬆の治療のために毎週打つ注射は、痛みをとる作用も強く非常に効果的だと考えています。また、坐骨神経痛が強く、他の治療が効かない場合には、硬膜外ブロック注射を施行しています。


 装具を作る目的は様々で、痛みをとったり、予防したり、変形を矯正したり、関節を柔らかくしたりいろいろな種類があります。
 装具治療は、病院においてある既製品を使って、急な腰痛や骨折・靱帯損傷に対応する場合と患者さんに合った装具を身体の型を取ることであつらえる場合があります。
 あつらえの装具を作る業者が毎週火曜夕方と水曜日午前中に当院を訪問し、 装具外来を行っています。
 義肢装具適合判定医の資格を持つ医師の指示によって、患者さまの症状緩和のために装具をオーダーメイドにて作成いたします。おもなものは、腰のコルセット、膝や足の痛みを和らげるための足底板、靱帯損傷や骨折に使う骨関節の装具などです。その他、患者さまの病態にあわせていろいろな装具を作成いたします。また、装具作成後も適宜調整を加え、より効果的な装具治療を目指しています。


 整形外科の独特な治療であるギプス・シーネ固定は、主に骨折に対して行います。靱帯損傷に対しても行う場合もあります。全ての骨折が、ギプスやシーネで治療できるとは限らず、骨折の状況によっては手術をおすすめし、国際親善総合病院へとご紹介する場合もあります。
 患者さまが自宅でも快適に過ごせるように、なるべく、自分で着脱可能なシーネを選択して、固定期間は必要最低限ですむように心がけています。また、より着脱や使用が容易になるように装具治療に切り替えていく場合もあります。

 

 


 リハビリテーションも整形外科の独特な治療です。是非リハビリを受けていただきたい患者さんは沢山いらっしゃいます。当院では運動器リハビリと消炎鎮痛処置の2種類のリハビリを組み合わせて行っています。詳細は こちらをご覧下さい。

他院への紹介

 ほかの医療機関をご紹介する機会は意外に多いです。

 漫然と治療を続けることは極力避けています。手術が必要な場合、より専門性の高い医療機関での対応が必要と判断した場合などに、国際親善総合病院を筆頭にほかの医療機関への紹介を行っています。

おもな紹介先の医療機関

国際親善総合病院

済生会横浜市南部病院

聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院

横浜医療センター

慶應義塾大学病院

自費治療
 健康保険の利用できない治療です。予防注射や疲労回復のニンニク注射などです。混合診療の禁止の原則に基づいて保険を使った診療と同日には行うことは出来ません。詳しくは電話(045ー810ー5441)にてお問い合わせ下さい。

インフルエンザ予防接種(木曜・土曜のみ)

ワクチン接種は当日の事前予約制(定員あり・接種時間指定制)です。
 木曜日と土曜日に当日の朝に電話で事前の予約をいただいて実施しています。

 電話予約受付 当日 9時30分から10時30分のみ  電話 045-810-5441
 接種時間帯 (30分間隔で時間指定させていただきます。)
   木曜日 11時から12時 
土曜日  11時30分から12時30分

料金は大人子供ともに3850円(税込み)です。無くなり次第終了です。

コロナワクチン接種との関係
接種間隔を二週間空けることを推奨します。

ニンニク注射

 いわゆるニンニク注射は水溶性ビタミンB混合注射をさします。ビタミンB1に含まれる成分にニンニクに似た臭いを持っており、注射中に口の中にニンニクの臭いがひろがりますが、長く続くことはありません。

 ビタミンBは、食事でとった栄養素を上手くエネルギーに替えたり、身体にたまった老廃物を分解するときに必要な物質で、主に疲労回復の目的でご利用いただいています。

 当院でご用意できるのは、ビタミンB1,2,12の混合注射とさらに慢性疼痛やしびれをとる成分であるノイロトロピンを追加した注射です。

ビタミンB1,2,12混合注射 1300円(静脈注射・外税)
ビタミン混合注射+ノイロトロピン 1800円(静脈注射・外税)

 はじめて実施する方は院長よりご説明します。

 自費注射を受ける方は、リハビリ室での物理療法(ウォーターベット等)を受けていただくこともできます。(追加料金なし)

 注射は症状の変化により適宜回数を変更しますが、疲労のたまっているときは週二回程度の回数をおすすめします。また、リハビリ機器のみを利用する際は健康保険が使えます。またその際は初回に初診料がかかりますが、必要により投薬やレントゲン検査も実施できます。

ビタミンB1

 ビタミンB1は、摂取した炭水化物(糖質)を分解し、人間が活動するのに必要なエネルギーに変える働きをしています。また、中枢神経や末梢神経の働きは脳により調整されており、脳が働くには大量のエネルギーを必要とします。このエネルギーはブドウ糖から作らており、その手助けしているのがビタミンB1です。

 さらにビタミンB1は、筋肉にたまる疲労物質である乳酸の除去する働きをしています。 このビタミンB1が不足してしまうと、疲れがとれにくく、また筋肉の動きも鈍くなってしまいます。

ビタミンB2

 体内で脂質がエネルギーに変わる際に大きな役割を果たすのがビタミンB2です。ビタミンB2が不足すると、脂質が燃焼しにくく、蓄積する一方になるので太り易くなります。また、ビタミンB2は「発育のビタミン」とも呼ばれ、細胞の新生や再生の際に必要になります。さらに、動脈硬化や細胞死の原因となる過酸化脂質を分解するためにアンチエイジングでも大きな注目を浴びています。

ビタミンB12

 正常な赤血球の形成や睡眠リズムの調整、神経の働きなどに大きなかかわりを持つのがビタミンB12です。ビタミンB12が不足すると、異常な赤血球の形成や、睡眠に関わるホルモンの調整がうまく行われずに起こる不眠症状、中枢神経から末端神経までの神経伝達がうまく行かなくなる等、身体のバランスが崩れ易くなります。

ノイロトロピン

 昔からある薬で、静脈注射だけでなく、痛いところに直接打っても効果のある薬です。生体内に備わっている痛みを抑える神経の働きを高める作用に加えて、末梢の血流改善作用や痛みや炎症に関与するブラジキニンの遊離抑制作用により痛みを和らげます。また、局所への好酸球の浸潤を抑えることによりアレルギー症状を改善します。

 ビタミン注射と混合して打つことで、慢性的な肩こり腰痛により効果があります。